『センスは知識からはじまる』を読了しましたー。
いやーいい本だった!
著者はくまモンやdocomoのiDなどのデザインで有名な水野学さん。
デザイナー界隈では知らない人はいないほどの有名人だそうです。
デザイナーはもちろんのこと、
音楽家やビジネスマンにも役立つ内容が満載でした。
『センス』というものすごく曖昧なものを、
ビシッと定義してくれています。
Contents
『センス』は生まれつきのものでしょ?という誤解
中略~
誤解は早いうちに解いておいた方がいいでしょう。ひらめきの神様などどこにもいやしないと。センスのよさとはミステリアスなものでもないし、特別な人だけに備わった才能でもありません。
方法を知って、やるべきことをやり、必要な時間をかければ、誰にでも手に入るものです。
いきなり断言してしまうのが素晴らしい!
読者としては、いっきに読む意欲が増すってもんです。笑
この本は
・Prologue
・Part1~5
・Epilogue
という構成。
Part1と2では
・いかにセンスというものが誤解されているか
・センスの定義って?
・センスが、仕事や日々の生活にとっていかに大切か
を説明してくれています。
『センスのよさ』とはなんだろう?
水野さんいわく、
センスのよさとは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。
とのこと。
これだけ見るとちょっと難しい言いまわしですが、
おしゃれもかっこよさもかわいらしさも、数値化できません。
しかしそのシーン、その時一緒にいる人、自分の個性に合わせてよし悪しを判断し、最適化することはできます。
と、分かりやすく解説してくれています。
センスを鍛える3ステップ
ではセンスを鍛えるにはどうすればいいのでしょうか?
水野さんはまず、
センスとは、知識にもとづく予想である
としたうえで、
センスの鍛え方を具体的なステップにまとめてくれています。
ステップ1 王道を知ること
まず、センスを発揮したいジャンルの「王道」から紐解くことからはじめます。
王道のものには、〜中略〜 王道としての地位を確立するまでに、改良され、洗練されて、「そのものらしさ」が磨かれているからです。
〜中略〜
言い換えれば、王道のものはすでに「最適化されている」と言えます。王道のものを知ることで、まずそのジャンルのよし悪しを判断する基準ができます。
王道とは、
言い換えればそのジャンルに共通する「共通言語」であり、「基礎」です。
基礎をおろそかにした応用のことをデタラメと言うんだ、
と昔ドラムの師匠に言われたことを思い出しました。
ステップ2 流行を知ること
次に流行を知ることが重要です。
流行は一過性のものではありますが、それを知ることで
知識の幅を一気に広げられます。
と著者は言います。
ステップ3 「共通項」や「一定のルール」がないか考えてみる
王道を理解し、流行を知ったあとは、それらに共通する「何か」がないか考えることが大切です。
著者が、自分の専門でないインテリアショップのリサーチを行ったケーススタディが参考になります。
門外漢であるインテリアショップのデザイン。
この高いハードルを水野さんは以下のステップで乗り越えました。
・第一に老舗のインテリアショップをたくさん回った(王道を知る)
・第二に流行のお店もたくさん回った(流行を知る)
・そして第三に、それ以外のお店も注意してみながら
「共通項は何だろう」と考えてみた
そこから、自分なりに見つけた「入りやすいお店(=繁盛するお店)」に共通するルールを挙げていきました。
中略僕は空間の床の色も商品の配置も、天から与えられたひらめきによって与えられているわけではなく、知識にもとづいて決めています。
結果、クライアントにも利用者にも評判の「センスの良い」仕事ができたということ。
「センスいいメロディを書くにはどう鍛えればいいんですか?」
って
まあ一理あるけど、センスの鍛え方を理解しているなら、そんな答えにはならなかっただろうなぁって思い返してたわけよ!
自分に転用してみる
僕の本業は作曲・編曲家なので、
この本を音楽に転用するとどうなるか考えてみました。
例:作曲コンペにトライする時
1.まず求められている音楽ジャンルの王道をリサーチ。メロディやコード感、歌詞や編曲の構成をチェックする。
2.そのジャンルで流行のサウンドをチェック
3.そこから共通項を見つけだし、アーティストのイメージと合致させて楽曲を制作する
こんなところでしょうか。
慣れればサクサクできそうでもあるね。
やってみるわー!
まとめ
アイデア本は音楽をつくる上でも力になってくれる本が多いなぁと、改めて思いました。
また良書みつけたら紹介したいと思います。
それではー!